地域のニュース
2025.10.12釧路新聞
動物園50周年祝う 家族連れイベント満喫【釧路市】
記念セレモニーでくす玉を割り、50周年を祝福する出席者
釧路市動物園(鈴木貴博園長)の開園50周年記念セレモニー(50周年実行委員会主催)が11日、同園で開かれた。出席者がくす玉割りで節目を祝い、鶴間秀典市長が今冬にホッキョクグマ1頭が新たな仲間として加わることを発表した。また、13日まで「開園50周年記念フェスティバル」が開かれており、多くの家族連れらがイベントを楽しんだ。
同園は1975年10月1日、鶴ケ岱公園で飼育されていた24種139点の動物を移設し、道内初となるレッサーパンダやアフリカゾウ、オタリアらが道内外の他の動物園などから来園し開園した。
セレモニーはサル山前のステージで行われ、鶴間市長とNPO法人釧路市動物園協会の吉田英司会長があいさつ。鶴間市長は「動物園協会、ボランティア、企業などの協力を受け、何よりも子供たちや保護者、全国の皆さんに支えていただいた」とこれまで関わったすべての人たちに感謝の気持ちを示した。
また、同園と交流がある市立山花小中学校の大嶋昂君(8)と山本笑新君(9)が飼育体験での思い出についてスピーチ。周年記念で展示用パネルとサクラの苗木を寄贈した同協会と、開園当時から園内や遊園地の清掃に従事して同園を支え、個人で毎年寄付をしてきた中村順子さん(75)に感謝状が贈られた。続いて、蝦名弘幸実行委員長の同フェス開会宣言の後、鶴間市長、吉田会長、岡部義孝教育長、鈴木園長ら8人でくす玉を割り、半世紀の節目を祝福した。またセレモニーに先立ち、開園50周年記念として、イオン北海道が「くしろWAON」の寄付金を活用して寄贈した屋外用温度計の除幕式も行われた。
同フェスでは期間中、園内の大型遊具を無料開放し、JR釧路駅からの路線バスが特別運賃で運行。来園者先着200人に記念クリアファイルのプレゼント、記念スタンプラリー、当たり付きお菓子まき大会を行い、キッチンカー6~8台も登場する。この日はZOOカード対戦トーナメント、ヒートボイスやキッズダンススタジオReのステージイベントなどを実施した。
12日は、動物のイラストが描かれたボールを親子でキャッチすると豪華景品が当たる「ガオー!ZOOキャッチ大会」(午前10時)、旭山動物園(旭川市)の坂東元統括園長、釧路市動物園の山口良雄、古賀公也両元園長による「スペシャルトークショー」(午後1時)、当たり付きお菓子まき大会(同3時)を開く。
2025.10.11釧路新聞
鉄製のモニュメント11基 釧路鉄工協会、動物園50周年で寄贈 キリンやアザラシなど設置【釧路市】
釧路鉄工協会(長井拓典会長)は9日、釧路市動物園内のふたみ青果エゾヒグマ館そばに鉄製の動物モニュメントを11基設置した。開園50周年を記念した寄贈で、同園にいる動物のキリンやアザラシなどのモニュメントが早速、遠足などで訪れた幼稚園児らを楽しませている。
同会は、15年以上にわたり同動物園の施設改修を行っているほか、同会青年部(菊地康平部長)が釧路少年少女発明クラブの特別講座で講師を務めるなど、地域貢献活動を積極的に展開している。 この日は会員各社が折り紙風に製作した最小のリス(高さ30㌢、横20㌢)、最大のキリン(高さ1・7㍍、横1・3㍍)をはじめ、ウサギ、ヒグマ、アザラシ、ライオン、ペンギン、オオワシのモニュメントを持ち寄り、菊地部長ら青年部のメンバー13人が杭を打ち込み、モニュメントと溶接して固定するなどの作業を進め、エゾヒグマ館そばの敷地(縦5㍍、横10㍍)などに設置した。 菊地部長は「釧路市動物園が50周年を迎えるということで盛り上げられる目玉の一つになればとの思いで設置した。来園した人たちに見てもらい、これはどの動物だなどと話しながら楽しんでもらいたい」と話していた。同園では「50周年に合わせて寄贈してもらい感謝している。小さなかわいい動物園がもう一つできたので、多くの人に見に来てもらいたい」と感謝の気持ちを述べた。
2025.10.10釧路新聞
シャトルバス実証運行 クルーズ船入港、西港から中心市街地へ【釧路市】
釧路港西港区第4埠頭から路線タイプのバスに乗車する旅客
北海道開発局は9日、釧路港西港区に入港するクルーズ船の旅客を対象にしたシャトルバスの実証運行を行った。市街地から離れた西港で下船後の二次交通不足が課題となっており、路線バス車両を活用するなど地元主体で行う対策を検証する。開発局による同様の実証は初めて。
クルーズ客船は大型化が進み、水深不足などで釧路港東港区の耐震・旅客船ターミナルに入港できない5万㌧を超えるクラスの船は西港第4埠頭(ふとう)に接岸している。しかし西港周辺は観光地や商業施設もなく、釧路湿原観光などのツアーに参加する旅客以外は船内で過ごす人もいて、経済効果の機会損失になっていた。また、これまでクルーズ船社などが手配するシャトルバスもあったが、運転手不足などで必要台数の確保が難しくなっている。
そこで、今回は外国クルーズ船「ウエステルダム」(8万2862㌧、乗員乗客約2630人)の入港に合わせて西港と観光国際交流センター間の約8㌔を約20分で結ぶシャトルバスを運行。使用する車両は「観光タイプ」5台に加え、一度に多くの客を運べる「路線タイプ」を3台投入した。また、ダイヤはバス事業者が需要予測やドライバーの休憩時間を加味して設定し、繁忙時間帯は8分間隔で走行。運賃は往復一人1800円で、埠頭に設けたブースでチケットを販売した。
米国コロラド州から来た男性(73)は「芸術館に行き、MOOでラーメンを食べた。バスがありとても便利だった」と話していた。
2025.10.09釧路新聞
琉球大学女子アイスホッケー部、合宿先でバイトも練習も 牧場などで費用捻出【釧路市】
練習の合間に働く部員(浅野牧場)=東北海道スポーツコミッション提供
琉球大学女子アイスホッケー部は9月22~25日まで釧路合宿を敢行した。釧路の学生との交流戦などを通じて競技力向上に励んだほか、練習の合間に釧路市内の牧場などで臨時スタッフとして働いて合宿費の一部を捻出するという全国的にも珍しい形態の合宿を行った。
ウインドヒルくしろスーパーアリーナなどを管理するNPO法人東北海道スポーツコミッションの中島仁実理事長が同部のコーチを務めている縁で10年ほど前から釧路で合宿を行っている。 今年はユタカアイスアリーナくしろとKKS釧路厚生社アイスアリーナで氷上練習を実施したほか、釧路公立大、道教育大学釧路校、帯広畜産大との4校による交流戦「女子タンチョウカップ2025」では、3戦すべて無失点で快勝する強さを見せた。 練習の合間には部員19人のうち6人が、浅野牧場(釧路市山花)、野村牧場(同桜田)、山崎農園(同阿寒町)、同スーパーアリーナで働いた。他の部員よりも少し長い27日まで滞在し、搾乳作業や農作業などに励んだ。1次産業を中心に働き手が不足している現状を踏まえ、合宿で来釧するアスリートに力になってもらおうと同コミッションが初めて企画し、今回は合宿費全体の1割程度を稼いだ。 新里大監督は「働いてお金がいただけるという面だけでなく、人との交流など、さまざまな経験ができて本当にありがたい」と頭を下げた。屋我紗菜主将(4年)も「目標としている全日本インカレ(10月末~11月上旬)での優勝に向けていい合宿ができた」と意気揚々と話していた。

